2014 Suzuka 8-Hour Endurance Race

  • ■ 2014年 鈴鹿8時間耐久ロードレース
  • ■ 開催日:2014年7月27日(日)
  • ■ サーキット名:鈴鹿サーキット(5.821 km)

豪雨の中、怒涛の追い上げで2位までポジションアップ
アクシデントを乗り越え13年ぶりの8耐復活を12位完走で締めくくった

Team Green

レポート

【金曜日:計時予選】3番手でトップ10トライアルに進出

 事前テストから走行回数の少なかった柳川だったが、第1ライダーグループで2分9秒233の好タイムで6番手につける。前日のフリー走行で2分8秒482のトップタイムをマークした第2ライダーの渡辺は、タイムアタッカーの役割を存分に発揮。2分8秒370で第2ライダーグループの最速となり総合2番手に躍進する。惜しくも第3ライダーグループの予選終了時に一つポジションを落としたが、総合で3番手のタイムで土曜日のトップ10トライアルにコマを進めた。藤原選手は決勝走行用のセッティングマシンで周回を重ねながらも2分10秒318の安定した速さを示しつつ計時予選を無事に終了した。

  • 【金曜日:計時予選】3番手でトップ10トライアルに進出

【土曜日:トップ10トライアル】アグレッシブな走りで4番手グリッドを獲得

 上位10チームで行われる最終予選トップ10トライアル。計時予選10位から6位のセカンドライダー、10位から6位のファーストライダー、5位から1位のセカンドライダーへと続き、最後に5位から1位のファーストライダーの全20名が1周ずつのタイムトライアルに挑戦する。

 前日の計時予選3位のチームグリーンからはまず柳川が登場。オペラ・トゥーランドットの荘厳な歌声と共にコースに飛び出した柳川は、2分9秒084をマーク。ファレル・ウィリアムスの軽快なナンバー「ハッピー」で登場した渡辺は、果敢な走りでコーナーを攻める。スプーン出口で若干リアをスライドさせるもシケイン侵入ではまるでマシンと遊ぶかのような大きなテールスライド走行で観客を沸かせ2分7秒752をマーク。最終的には4番手となったが、アグレッシブなライディングはサーキットのファンからも喝采を浴びた。

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【日曜日:決勝】いきなりの雨で1時間以上のスタートディレイ

 前日までのうだるような暑さは決勝日も変わらなかったが、この日は午後から雷雨があるかもしれないとの予報。その予報はなんと決勝レースのスタート進行時になって訪れた。2周のサイティングラップを終え、いよいよスタートという時点で大粒の雨がコースに落ち始め瞬く間に土砂降りに。その結果、11時半スタートのスケジュールは大幅に遅れ、結局12時35分スタートとなる。この時点で8時間耐久レースは実質6時間55分のレースに短縮となった。


  • 【日曜日:決勝】いきなりの雨で1時間以上のスタートディレイ

【12時35分】スタート:安定した走行の柳川が6番手でつなぐ

 仕切り直しとなったスタートだったが、路面はまだウエット状態で「ウエット宣言」下でのレースとなった。ルマン方式のスタートで有名な8時間耐久レース。ライダーはスタートシグナルと同時にコースを走って横断。メカニックが支えるマシンにまたがり、エンジンをかけスタートしていく。チームグリーンのスターターは柳川だ。小やみになったとはいえ、まだヘビーウエットの路面状況で柳川は序盤はおさえぎみに行く。オープニングラップは11番手でクリア。ラップタイムは2分28秒台。雨のトラップに何台ものマシンがコースアウトする中、安定した走りを続け10ラップ目に8位まで浮上。ペースも25秒台までアップしながら前車を追い上げ、第1スティントの後半には6位までポジションを回復した。

  • 【12時35分】スタート:安定した走行の柳川が6番手でつなぐ

【13時30分(およそ1時間経過)】豪雨の中の追い上げで2位に浮上

 各チーム最初のルーティンピットワークが始まる。チームグリーンも柳川から渡辺にスイッチ。雨は上がり、ヘビーウエットだった路面もレコードラインはすっかり乾いている状態になる。タイヤはドライ用のスリックタイヤに前後とも交換。ガソリンをフルチャージして渡辺がコースインする。周回遅れをスムーズにクリアしながら7番手から6番手にポジションアップするが、この時点で前とのギャップは11秒以上。しかしここから渡辺の猛追が始まる。4周目には15秒台にペースアップ。さらに13秒、12秒と周回ごとに自己ベストを更新して2分10秒台までペースアップ。ハーフウエットで微妙なコンディションの中、このペースが群を抜いて速く、♯17 Team KAGAYAMA & Verity、♯104 TOHO Racing with MORIWAKIを次々と捕え4番手まで浮上する。スティントの後半になると西コースで雨が再び降り始め、路面がぬれ始めるとペースが伸びない#34 YOSHIMURA SUZUKI Shell ADVANCEをとらえ、ついにトップ3に躍り出た。そして48周目の裏ストレートで#634 MuSASHi RT HARC-PROに並ぶとシケインでついにこれをパス。2位にポジションアップした。ところが、この直後にコース全体が豪雨となりドライタイヤの渡辺も大きく減速。セーフティファーストの走行に切り替えてピットまで戻ろうとしていたが、残り半周となったヘアピンでハイサイドを起こし転倒を喫した。

  • 【13時30分】豪雨の中の追い上げで2位に浮上

【14時30分(およそ2時間経過)】大きく順位を落としながらも再び戦列復帰

 すぐにマシンを起こしあげ、ピットに戻ってきたが右サイドに損傷があり、不測のピット作業となった。メカニックの懸命な作業でタイムロスは最小限にとどめられたが、それでも7分以上のビハインドとなり、ライダーは藤原に交代。藤原は豪雨の中でのマシンチェックから低速走行でラップすることを強いられ、再調整のために再びピットに戻る。このピット作業とマシンチェックの間に20番手以下へ大きく順位を落としたが、降りしきる雨の中、藤原はそのダメージを最小限に抑える走りを見せ、スティント後半では2分13秒台までペースを回復。確実に柳川へのバトンを渡すべく安定した周回を重ね、ルーティンのピットインを行う。

  • 【14時30分】大きく順位を落としながらも再び戦列復帰

【15時30分(およそ3時間経過)】荒れたレース展開にセーフティカー導入が相次ぐ

 2回目のライディングとなった柳川は乾き始めていた路面状況で2分14秒台から11秒台と徐々にペースアップを図り、前との距離を詰めていく。ポジションも20番手まで回復。2分10秒台前半までペースを上げながらも、無理をすることなく前者をクリアして、90ラップ目には2分9秒993のチームベストを記録するなど確実にポジションを回復した。ところが、1コーナーでのアクシデントによりこの日3回目のセーフティカーが導入され、追い上げもいったん休止。その後セーフティカーが消えると再び10秒台にペースを上げ、渡辺につないだ。

  • 【15時30分】荒れたレース展開にセーフティカー導入が相次ぐ

【17時30分(およそ5時間経過)】スムーズなパッシングで確実にポジション回復

 トップから5ラップ遅れとは言え、トップグループと同じようなペースまで回復したマシンを受け継いだ渡辺は、柳川と同じように2分10秒台でラップを刻み、着実に前との距離を詰めていく。ポジションも13番手まで回復し、再び藤原にトス。前回の走行と違い、ドライコンディションでの走行となった藤原だったが、実はこの時点でマシンには小さな不具合が数か所発生していた。この不具合を経験豊富な藤原はライディングテクニックでカバーする走りを見せ、ペースを落とすことなく淡々と周回していた。途中S字でのアクシデントによりセーフティカーが導入。この間を利用して、予定していた周回より早くピットインを行い、最終スティントとなる柳川につないだ。

  • 【17時30分】スムーズなパッシングで確実にポジション回復

【18時30分(およそ6時間経過)】アクシデントを乗り越えて堂々の完走

 最終スティントとなる柳川はこの4回目となるセーフティカーの隊列に加わるかたちでコース復帰。数周の隊列走行ののちに、全車ライトオンのサインボードが出され、いよいよラスト30分の夜間走行となる。柳川は2分14秒台のペースで周回し、午後7時30分のチェッカーとなった。合計167ラップ。トップからは5ラップ遅れとなったものの、13年ぶりの8耐復帰を堂々の完走で締めくくった。


  • 【18時30分】アクシデントを乗り越えて堂々の完走

【柳川 明のコメント】

 「順位やタイムにはまったく納得していませんが、13年ぶりの8耐でこのポジションはそれなりに評価していただけるのではないでしょうか。万全の体調で臨めなかった僕自身の反省もありますが、次年度以降に必要な情報・経験は蓄積することができたと思います。耐久には耐久のプロセスというか、ノウハウが必要です。チームグリーンはその一歩に立ったところなのかもしれません。もう、明日から準備しないとね。」

【渡辺 一樹のコメント】

 「アタッカーとしての役割は果たせたかなというのが感想です。決勝では大きなミスを犯してしまいましたが、アクシデントへの対応、イレギュラーな状況へのアジャストするポテンシャルがライダーにもメカニックにも求められる気がします。耐久レースは難しい。でも、楽しい。転倒した僕が言うのもなんですが、もっともっとレースを楽しめるように来シーズンはきちんと時間をかけたいです。このポジションじゃかっこつかないですもん。」

【藤原 克昭のコメント】

 「僕自身9年ぶりの8耐。いきなりイレギュラーな事態からスタートとなりましたが、そこに対応する力を求められるのも耐久レースです。マシンを修復してもらいレインタイヤでコースインしたものの自分の判断で、急きょピットイン。スリックタイヤに履き替えて後半の追い上げにシフトしました。そのプランは見事的中。いくつかポジションを取り戻して柳川選手にトスできました。チームとしての課題は山積していましたが次年度へのステップととらえれば確実に結果は残せると思います。マシンづくりの点からも機会があれば僕も協力したいですね。」

【釈迦堂監督のコメント】

 「一言で言うと来年に向けた宿題・課題をたくさんもらってしまった8耐でした。カタチ的には完走し大勢の方に慰労の言葉をいただきましたが、何とも複雑な気分でチェッカーを迎えました。大きなミスではなく小さなインフォメーションのすれ違いなどが積み重なって、上位に踏みとどまることができなかった。渡辺選手の果敢な攻めとアクシデントも僕はプラスに評価すべきポイントだと自負しています。だからこそ来期につながる課題山積を今日から一つずつクリアしていこうと考えています。応援ありがとうございました。」

  • 柳川 明
  • 渡辺 一樹
  • 藤原 克昭
  • 釈迦堂監督

リザルト

2014年 鈴鹿8時間耐久ロードレース

Pos. No. Team Rider1 Rider2 Rider3 Machine
1 634 MuSASHi RT HARC-PRO 高橋巧 L.HASLAM M.van der MARK HONDA
CBR1000RR
2 34 ヨシムラ スズキ シェル アドバンス
レーシング チーム
津田拓也 J.WATERS R.de PUNIET SUZUKI
GSX-R1000L4
3 17 Team KAGAYAMA & Verity 芳賀紀行 D.AEGERTER 加賀山就臣 SUZUKI
GSX-R1000
4 07 MONSTER ENERGY YAMAHA
with YSP
中須賀克行 B.PARKES J.BROOKES YAMAHA
YZF-R1
5 104 TOHO Racing with MORIWAKI 國川浩道 山口辰也 小林龍太 HONDA
CBR1000RR
6 25 Honda鈴鹿レーシングチーム 日浦大治朗 森井威綱 安田毅史 HONDA
CBR1000RR
7 22 Honda Team Asia J.HOOK M.Zamri BABA D.Ekky PRATAMA HONDA
CBR1000RR
8 1 SUZUKI ENDURANCE RACING TEAM A.DELHALLE E.NIGON D.CUDLIN SUZUKI
GSX-R1000
9 94 Yamaha Racing GMT94 Michelin K.FORAY M.GINES D.CHECA YAMAHA
YZF-R1
10 7 MONSTER ENERGY YAMAHA -YART T.BRIDEWELL W.MAXWELL R.OLSON YAMAHA
YZF-R1
11 33 Honda 熊本レーシング 吉田光弘 小島一浩 徳留和樹 HONDA
CBR1000RR
12 87 Team GREEN 柳川明 渡辺一樹 藤原克昭 Kawasaki
Ninja ZX-10R
13 8 BOLLIGER TEAM SWITZERLAND H.SAIGER R.STAMM D.SUTTER Kawasaki
Ninja ZX-10R
14 39 CONFIA Flex Motorrad39 酒井大作 武石伸也 大西敬紀 BMW
S1000RR
15 40 Honda
浜松エスカルゴ&PGR&H-TEC関東
久保山正朗 中津原尚宏 HONDA
CBR1000RR
16 135 Team Tras 135HP 寺本幸司 P.VALLCANERAS FLORES H.CHO BMW
HP4
17 98 PATLABOR TEAMJP DOGFIGHTRACING YAMAHA 藤田拓哉 D.KRUGER 及川 誠人 YAMAHA
YZF-R1
18 38 Kawasaki K-TEC Team38 PS-K 苅田庄平 塚本昭一 山下繁 Kawasaki
Ninja ZX-10R
19 2 TEAM R2CL G.JONES G.GIABBANI M.LAGRIVE SUZUKI
GSX-R1000
20 85 Honda QCT明和レーシング 山中正之 安藤元之 小原岳 HONDA
CBR1000RR
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