レースレポート

全日本ロードレース選手権第7戦 鈴鹿/鈴鹿サーキット 2010年10月31日

第1レースで3位入賞 第2レースも4位と健闘し、
シリーズランキング堂々の2位でシーズン終了


#87 柳川 明

 

 全日本ロードレース最終戦となるMFJグランプリは、季節外れの台風直撃が懸念されるなか、予選、決勝ともに予定どおり鈴鹿サーキットにて開催された。伊勢湾を遠くに望むコースの全長はおよそ5.8キロ。東西に2.5キロの幅を持つ国内屈指の国際サーキットは、そのレイアウトから東西で天候が大きく異なることもあり、微妙な気象条件のもとではチーム・ライダーを悩ませることになる。名古屋からも関西圏からも交通アクセスに恵まれ、モータスポーツファンのほか家族連れも多く集まった。

  最終戦のJSB1000クラスは2ヒート制で行われ、通常のポイントにそれぞれ3ポイントが加算される。予選はすっかり定着してきたノックダウン方式だが、通常と違いQ1の予選順位で第1レースのグリッドが決まり、Q2・Q3の結果がそのまま第2レースのグリッドとなる。第6戦までに102.5ポイントを積み重ねてきた柳川は、シリーズチャンピオンを射程圏内にいれて2010年度の最終戦に臨んだ。
 

全日本ロードレース レポート

ピット内での柳川

スタート直後

#87 柳川 明

中須賀選手を捕らえて3位に浮上する柳川

 

予選
 天候次第では土曜日の予選がキャンセルとなる可能性もあったが、心配された雨もあがり予定どおりのスケジュールで各クラスの予選が行われた。それでも曇り空のサーキットは路面が乾きにくく、JSB1000クラスの予選が行われた午後になってもドライとはいえない状況だった。
 柳川はその状況をしっかり見極め、各ライダーがコースインするのをピット内でじっと見送っていた。40分間のQ1を10分以上過ぎたころにようやくコースインすると、 走行ラインが次第に乾きはじめてきたのを確認するように数周をラップ。9周目に2分12秒032で4番手タイムをマークした。この時のトップスピードは293キロオーバー。前週のテスト走行から順調に仕上がってきていることが証明されていた。
 コース全体がほぼドライ状態になったQ2では、一気に2分9秒397とテスト走行時に出した自己ベストに迫る速さで、余裕の4位通過。12台に絞り込まれたQ3へとコマを進めた。ここでも柳川は2周目に2分9秒080とタイムを削り、4番手グリッドを確保した。

決勝第1レース
 台風一過の晴天が期待された決勝日の朝は、あいにくの曇り空。気温は19度とそれほど低くないものの太陽が顔を出さないサーキットの路面温度はあがる気配を示さないままだった。第1レースの開始は午前11時。15周で行われる予定だったが、そのスタート進行で他車のアクシデントが発生し、サイティングラップからやり直すこととなり、周回数も1周減算の14ラップとなった。

  2列目アウト側からスタートした柳川は、一瞬後続に飲み込まれそうになったが2コーナー出口までに立て直してオープニングラップを4位で通過。予選タイムよりも1秒近く早い2分8秒台前半のラップタイムを刻み、周回を重ねていく。追ってくる亀谷(ホンダ)に対して確実なアドバンテージを築いていった柳川だったが、前方に対しては我慢の展開となる。粘り強い走りを続けていた9ラップ目に、前を行く中須賀(ヤマハ)がコースアウトして柳川は3位に浮上。後方から迫る高橋巧(ホンダ)に8秒以上のアドバンテージを築いたままペースを崩すことなく3位でチェッカーを受けた。

 JSB1000クラスに参戦して7年。なぜか鈴鹿だけは表彰台を逃してきた柳川だったが、表彰台に登壇。23ポイントを加算してついにシリーズランキングでトップに躍り出た。

決勝第2レース
  「午後から雨」の予報がぴたりと的中してしまった鈴鹿サーキット。JSB1000クラスの第2レースはウエット宣言のもとで行われた。スタートした瞬間に水煙が激しく舞い上がり、視界はゼロ。柳川は珍しく順位を落としたものの、すぐさま2つポジションを回復して5番手で1周目のコントロールラインを通過した。中須賀、亀谷、そして柳川の3台による3位争いがここからはじまる。3台の差はわずかにコンマ3秒。はじめ亀谷がグループの先頭に立つが、ペースが上がらず変わって中須賀が前に出る。柳川はその様子を背後からじっと観察。パッシングポイントをうかがい周回を重ねる。スプーン入り口から裏ストレートにかけてアドバンテージがあることを確認した柳川は、6周目に亀谷をかわすと7周目に中須賀をパスして3位に浮上する。さらにペースを上げ、9周目には2秒近いアドバンテージを築いた柳川。このまま引き離して連続表彰台を狙ったが、ペースアップを図ろうとした矢先に、急に雨が激しさを増していった。いったん4位に後退した柳川は、その後も挽回するために各コーナーで果敢な走りを見せたが、わずかに及ばず4位で最終戦のチェッカーを受けた。

  このレースで21ポイントを獲得し、合計で146.5ポイントとなり、シリーズランキング争いでは堂々の2位で2010年のシーズンを終えた。

   

#87 柳川 明

柳川明のコメント
 「テスト段階からいい感じで来ていたので、自己ベストの2分7秒59を視野に入れたレース展開も考えていたのですが、路面温度が低すぎたのか想定タイムには及びませんでした。それでも予選タイムよりも早いペースで周回。後半から少しコントロールしにくい状態になり、ペースアップできませんでしたがようやく表彰台にのぼることができました。振り返ればJSB1000に参戦してから、表彰台にのぼれなかったのはここだけだったんですよね。雨になった第2レースは、我慢の展開になりました。前半でタイヤを酷使したのか、一度は前に出たものの追い上げ態勢に入れませんでした。結果的にシリーズランキング2位になりましたが、積み重ねで得たこのポジションはチームを含めスタッフ全員のおかげだと思っています。また、この1年応援してくださったファンの方々に少しでも恩返しできたのではないかと思っています。本当に1年間ありがとうございました。」
 

三浦監督のコメント
 「第1レースで表彰台にのぼり、ランキングも僅差ながらトップに立ったことで、『最終レースこそ優勝を。そしてシリーズチャンピオンを』とチーム全員が団結してウエットレースに臨みましたが、ライダーの奮闘もおよばずシリーズチャンピオンを逃してしまいました。荒天の中、応援してくださったファンのみなさまの期待に添えず申し訳なく思っています。が、しかしランキング2位という結果は、チーム全員で力をあわせて1戦1戦積み重ねてきて手にしたものなので堂々と胸を張っていいと思います。この1年の成果やみんなの思いを糧に、来シーズンはニューマシンで頑張りたいと考えています。是非応援よろしくお願いいたします。」


 

決勝リザルト



第1レースリザルト

Pos. No. Rider Machine
1 64 秋吉 耕佑 Honda/CBR1000RR
2 33 伊藤 真一 Honda/CBR1000RR
3 87 柳川 明 Kawasaki/ZX-10R
4 634 高橋 巧 Honda/CBR1000RR
5 6 亀谷 長純 Honda/CBR1000RR
6 54 武田 雄一 Yamaha/YZF-R1
7 48 出口 修 Suzuki/GSX-R1000
8 01 芹沢 太麻樹 Kawasaki/ZX-10R
9 32 今野 由寛 Suzuki/GSX-R1000
10 51 高橋 英倫 Kawasaki/ZX-10R
11 16 東村 伊佐三 Kawasaki/ZX-10R
12 69 谷 誠士郎 Honda/CBR1000RR
13 81 北口 浩二 Honda/CBR1000RR
14 99 戸田 隆 BMW/S1000RR
15 27 久保山 正朗 Honda/CBR1000RR
16 28 髙田 速人 Honda/CBR1000RR
17 36 鈴木 大五郎 Suzuki/GSX-R1000
18 83 中村 知雅 Honda/CBR1000RR
19 17 清水 郁巳 Honda/CBR1000RR
20 88 藤田 拓哉 Yamaha/YZF-R1


第2レースリザルト

Pos. No. Rider Machine
1 64 秋吉 耕佑 Honda/CBR1000RR
2 33 伊藤 真一 Honda/CBR1000RR
3 1 中須賀 克行 Yamaha/YZF-R1
4 87 柳川 明 Kawasaki/ZX-10R
5 6 亀谷 長純 Honda/CBR1000RR
6 54 武田 雄一 Yamaha/YZF-R1
7 01 芹沢 太麻樹 Kawasaki/ZX-10R
8 48 出口 修 Suzuki/GSX-R1000
9 69 谷 誠士郎 Honda/CBR1000RR
10 16 東村 伊佐三 Kawasaki/ZX-10R
11 28 髙田 速人 Honda/CBR1000RR
12 51 高橋 英倫 Kawasaki/ZX-10R
13 634 高橋 巧 Honda/CBR1000RR
14 27 久保山 正朗 Honda/CBR1000RR
15 99 戸田 隆 BMW/S1000RR
16 81 北口 浩二 Honda/CBR1000RR
17 25 原田 洋孝 Kawasaki/ZX-10R
18 50 宇佐見 保弘 Yamaha/YZF-R1
19 20 吉田 光弘 Honda/CBR1000RR
20 32 今野 由寛 Suzuki/GSX-R1000

  


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