2016 All Japan Motocross Championship

  • ■ 2016年 全日本モトクロス選手権 第9戦 MFJ GP
  • ■ IA1
  • ■ 開催日:2016年10月23日(日)
  • ■ 会場名:スポーツランドSUGO

新井宏彰がランキング2位獲得!
田中教世…涙のフェアウェルレース

#8 田中 教世 #331 新井 宏彰 #4 小方 誠

レポート

●新井宏彰の最終戦(IA1/7位/7位)

 最終戦には外国人ライダーの参戦があったりして盛り上がるものですが、今年はトップライダー3選手(田中教世、熱田孝高、北居良樹)の引退レースということもあり、普段とはまた違った特別な雰囲気になりましたね。
 みんな気持ちを込めて走っていたし、それがこっちにも伝わってきました。自分としても負けたくはなかったんですが、コース全体の中で決まるところが全然なくて、ただ周回していただけのようなレースになってしまいました。なんだかイマイチ乗りきれない感じでしたね。別に調子が悪かったわけではなく、周りのライダーが速かったのかなという印象です。
 ヒート1はスタートもまあまあで、1コーナーのインを曲がったときは3番手ぐらいでした。もともと2コーナーのアウトから大坂の左を登る作戦だったんですが、大坂の手前が撒水でウェットになったので、それを避けたライダーたちがみんな寄ってきて前をふさがれてしまったんです。そんなわけで、オープニングラップは5番手でした。僕のすぐ前にシーリー選手がいて、トップ争いは成田選手と山本選手。序盤はパッシングポイントを見つけられず、もたもたしていたら小島選手や平田選手に抜かれました。
 中盤以降はずっと熱田選手の後ろに付いていたんですが、すごく気合いも入っていて粘られました。ブロックされちゃったし、僕も調子が悪かったんでラインが決まらず、抜きどころが見つけられませんでした。最後は転倒で後方に下がっていた成田選手とテールトゥノーズになったんですが、なんとか逃げきって7位でゴール。大量のポイントリードを持っていた成田選手が、チャンピオンに決定しました。
 ヒート2はちょっと出遅れた感じで、教世君が5番、僕が6番手。序盤はかなり頑張っていて、なかなか抜かせてもらえなかったんですが、20分すぎに教世君がミスをした隙に入れ替わりました。僕自身はその後もあまりペースが上がらず、深谷選手、小方選手に抜かれて7位でチェッカーというレースでした。
 調子悪いというよりも、なぜか上手く乗れなかったんです。マシンのセッティング、コース攻略、メンタル…そういった要素が全部関係あるかもしれません。コースコンディションはグッドでしたね。菅生にしては普段ほど掘り返されていなくて、硬くしまっていた。だからタイヤはずっとミディアムで通しました。
 それにしてもこんなに天気がいい菅生って、最近はあんまりなかったですよね。路面状況がきれいだったんで、ヒート間でサスをアジャストする必要もなかった。前戦のオフビレでピンピンだったので、実績のあるセッティングを変えることもなくほぼそのまま走りました。
 今シーズンを振り返ると、ランキング2位に食い込めた点はよかったと思います。ただ大きな取りこぼしはなかったものの、第2戦から低迷してしまった。途中でセッティングに迷った時期があったので、いま思うともったいなかったですね。そういうときの取り組み方とか、シーズンオフのマシンの作り方とか、来年はもっとしっかりやっていきたいと思います。
 来年は#2? それはビロポートのイメージなので、遠慮しておきましょう。僕は#331をキープします。

  • #331 新井 宏彰
  • #331 新井 宏彰

●田中教世の最終戦(IA1/12位/8位)

 今シーズン限りで引退する決意を表明したのは、最終戦の1週間前でした。正直な気持ちとしては半々…。すっきりした部分もあるし、まだ続けたいなという未練もあります。発表まではずっと悩んでいました。北居選手に続いて熱田選手も引退表明したし、自分はどうしようかと…。冷静に考えれば契約がなければ引退ということは固まっていたんですが、いざそれを表明するとなると踏ん切りがなかなか付けられず、ずるずると悩んでいました。
 引退については、ここ数年間はいつも頭の片隅にありました。ヤマハファクトリーの時は、ケガしてばかりで好成績を残せなかったし、そろそろかなということは何度か脳裏をよぎっていました。その後プライベートになってからは、あの体制を続けるとなると厳しくて、去年が最後になるだろうと思っていたところにKRTからオファーがあり、もう少し頑張ってみようと…。ただし契約の時に1年限りと言われていたので、ここが引き際かなと考えていました。
 限界とか衰えを感じたわけではないんです。まだまだやれる自信は十分あります。10年前と比べても体力が落ちているような気がしないし、疲労回復にかかる時間が少し長くなったぐらい。その辺はサプリなどで補えるし、むしろレース経験が増えた分、昔よりもポテンシャルは上がっている気がします。
 ただ、プロとして続けられるかどうかというと、独身で若ければ最低限の生活でも頑張れるけれども、家族のことを考えたらそれはできない。ちゃんとした生活があってのレースです。勝てる体制があってのレースです。
 以前はプライベートでチームタカセを運営していましたが、あのときはトラックもあったし、スタッフもいました。それも解散してしまった今となっては再結成は困難ですが、KRTだったら可能だった。以上が引退についての葛藤から決意に至った流れです。
 この最終戦が文字通り最後になりましたが、特に引退レースという意識はしていませんでした。でも予選から決勝まで力が入りすぎていたような、どこか空回りしていたような、いま振り返るとそんな気がします。勝って締め括りたいとか、無事に終わりたいとか、いろんな気持ちが交錯していたのかもしれません。
 ヒート1はスタートが最後尾でした。クラッチミートした瞬間に滑って、左に振られてしまったんです。イン側だったのでそこから抜け出せなくて、後ろのペースにはまりました。序盤は15番とか14番あたり。後半になると北居選手とバトルになったんですが、最後まで抜けずじまいで12位でした。
 いつもはもっと掘れてワダチが多くなるんですが、今回は路面が硬かったですね。20年以上前の菅生みたいでした。僕がIBの頃は、1コーナーを右に曲がって登って行くレイアウトで、今でもはっきりと覚えています。同期の田澤さん(現KRT監督)がIBチャンピオンだったので、「昔はオレの方が速かった」とよく言われました。
 昼休みはチームドクターの平吹先生にマッサージを受けたり、テーピングをしてもらいながら「本当にこれが最後なんですね。長い間ありがとうございました」と感謝の気持ちを言葉にしました。横山部長、メカの亀山さん、ヘルパーの栄治(村脇)、その他チームスタッフの面々は平静を装っていましたが、僕は最後のレースに向けて闘志満々でした。
 ヒート2はスタートがまずまず決まって、序盤から5番手をキープしました。これは行ける! 何とかして表彰台をゲットしようと思ったんですが、みんな最後だから必死で手強かった。中盤までは目の前に熱田選手がいたんですが、ヒート1の北居選手といい、引退ライダー同士のバトルで締め括ることができたのも何かの縁かなと思いました。2人とも気持ちが入っていたので、僕の方が根負けして最後は疲れちゃいましたけれどね。
 序盤から力が入りすぎていたし、コースもそれなりに荒れてきていたので、バイクを押さえるのが精一杯。最後のリザルトは8位でした。でも、すべてを出しきったので悔いはありません。熱田選手とは2010年にチャンピオン争いをしたことが、今となってはいい思い出です。ここ菅生の最終戦で競り合った時に転倒して、結局9点差で僕が負けたんですけれど、尊敬できるライバルでした。
 レース後の引退セレモニー…。地元じゃないのでこんなに集まってくれるなんて予想していなかったこともあり、ステージに登壇した瞬間から感極まってしまいました。自分がスピーチするときには、いろいろ考えていた言葉が思い浮かばず絶句しました。
 セレモニー開始から1時間半ぐらい、ずっとファンの方たちに囲まれていました。一緒に写真を撮ったりサインしたり、シャンパンをかけられて全身ずぶ濡れだったので、そのうちに震えが止まらなくなりました。それでもファンの人たちが引退レースに集まってくれたことがうれしくて、真っ暗になっても立ち話を止めることができませんでした。
 これまでサポートしていただいたみなさんに対し、感謝の気持ちを噛みしめながら田中教世は引退します。長い間ありがとうございました。

  • #331 新井 宏彰  #8 田中 教世
  • #8 田中 教世

リザルト

IA1 Race1

Pos. No. Rider Machine
1 114 コール・シーリー Honda CRF450
2 1 小島庸平 Suzuki RM-Z450WS
3 99 平田 優 Yamaha YZ450FM
4 400 山本 鯨 Honda CRF450
5 13 深谷広一 Suzuki RM-Z450
6 2 熱田孝高 Suzuki RM-Z450WS
7 331 新井宏彰 Kawasaki KX450F-SR
8 982 成田 亮 Honda CRF450W
9 4 小方 誠 Kawasaki KX450F-SR
10 7 安原 志 Yamaha YZ450F
11 100 北居良樹 KTM 450SX-F
12 8 田中教世 Kawasaki KX450F-SR
13 14 池谷優太 Suzuki RM-Z450
14 12 伊藤正憲 Yamaha YZ450F
15 42 稲垣達樹 Suzuki RM-Z450
16 15 鈴木正明 Suzuki RM-Z450WS
17 18 白石翔也 Yamaha YZ450F
18 41 馬場大貴 Honda CRF450
19 121 リー・ジャ・ミン Yamaha YZ450F
20 16 中村泰介 Yamaha YZ450F

IA1 Race2

Pos. No. Rider Machine
1 114 コール・シーリー Honda CRF450
2 99 平田 優 Yamaha YZ450FM
3 1 小島庸平 Suzuki RM-Z450WS
4 13 深谷広一 Suzuki RM-Z450
5 2 熱田孝高 Suzuki RM-Z450WS
6 4 小方 誠 Kawasaki KX450F-SR
7 331 新井宏彰 Kawasaki KX450F-SR
8 8 田中教世 Kawasaki KX450F-SR
9 400 山本 鯨 Honda CRF450
10 7 安原 志 Yamaha YZ450F
11 12 伊藤正憲 Yamaha YZ450F
12 14 池谷優太 Suzuki RM-Z450
13 100 北居良樹 KTM 450SX-F
14 42 稲垣達樹 Suzuki RM-Z450
15 15 鈴木正明 Suzuki RM-Z450WS
16 41 馬場大貴 Honda CRF450
17 18 白石翔也 Yamaha YZ450F
18 16 中村泰介 Yamaha YZ450F
19 121 リー・ジャ・ミン Yamaha YZ450F

IA2 Race1

Pos. No. Rider Machine
1 28 能塚智寛 Honda CRF250RW
2 32 渡辺祐介 Yamaha YZ250F
3 122 古賀太基 Honda CRF250R
4 29 竹中純矢 Suzuki RM-Z250WS
5 113 田中雅己 Honda CRF250R
6 52 植田翔太 Kawasaki KX250F
7 912 小川孝平 Honda CRF250R
8 39 道脇右京 Honda CRF250R
9 31 岡野 聖 Yamaha YZ250F
10 05 森 優介 Honda CRF250
11 36 横澤拓夢 Honda CRF250R
12 38 池本凌汰 Suzuki RM-Z250
13 47 内田篤基 Suzuki RM-Z250
14 02 鈴村英喜 Honda CRF250R
15 04 鳥谷部晃太 Yamaha YZ250F
16 43 北原岳哲 Kawasaki KX250F
17 50 辻 拓人 Honda CRF250R
18 59 佐藤 亮 Suzuki RM-Z250
19 64 平山 力 Kawasaki KX250F
20 53 菅谷峻介 Kawasaki KX250F

IA2 Race2

Pos. No. Rider Machine
1 28 能塚智寛 Honda CRF250RW
2 32 渡辺祐介 Yamaha YZ250F
3 36 横澤拓夢 Honda CRF250R
4 122 古賀太基 Honda CRF250R
5 912 小川孝平 Honda CRF250R
6 05 森 優介 Honda CRF250
7 31 岡野 聖 Yamaha YZ250F
8 38 池本凌汰 Suzuki RM-Z250
9 39 道脇右京 Honda CRF250R
10 43 北原岳哲 Kawasaki KX250F
11 64 平山 力 Kawasaki KX250F
12 52 植田翔太 Kawasaki KX250F
13 777 ハドリー・ナイト KTM 250SX-F
14 29 竹中純矢 Suzuki RM-Z250WS
15 37 馬場亮太 Yamaha YZ250F
16 47 内田篤基 Suzuki RM-Z250
17 53 菅谷峻介 Kawasaki KX250F
18 35 斉藤 嵩 Suzuki RM-Z250
19 06 笠原氷河 Yamaha YZ250F
20 04 鳥谷部晃太 Yamaha YZ250F

2016年 全日本モトクロス選手権 ポイントランキング

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