
- ■ 2017年 アジアロードレース選手権 第2戦 タイ大会
- ■ スーパースポーツ 600cc / アジア・プロダクション 250cc
- ■ 開催日:2017年4月15日(土)
- ■ サーキット名:チャーン・インターナショナル・サーキット(4.554 km)
Azlan、ダブルウィンを飾る!!
アジアロードレース選手権第2戦は、4月13~15日の日程でタイのチャーン・インターナショナル・サーキットで開催された。
通常は貨物輸送のリードタイム確保のため、大会の開催間隔が1ヶ月以上空くが、今回はサーキット側の希望でソンクラン(タイの正月)に開催することになったため、第1戦からは2週間足らずでの開催になった。
この時期のブリラムは気温が高く、昨年5月に行われた第2戦の際には気温は40℃近く、路面温度も70℃を超えることがあったほどである。
昨年も第2戦と第6戦が開催され、すでにアジアでは主要サーキットのひとつになっているチャーン・インターナショナル・サーキットは、タイ東北部のブリラム市に位置するサーキットで、3月には世界スーパーバイク選手権も開催されたので、レースファンにはすでに馴染みになっているのではないだろうか。アジアロードレース選手権は、今年もこの地で第2戦と第6戦が開催される。
また、今年からアジアロードレース選手権の公式Facebookで全セッションがライブ中継されるので、ぜひフォローしていただきたい。
レポート
大会1日目のフリー走行を経て大会2日目に予選とレース1が行われた。
Manual-Tech KYT KawasakiのYudhistiraとAzlan Shah Kamaruzamanは大半のライダーがコースインしたのを見届けてから早々にタイムアタックを開始、Kamaruzamanが1'39.228をマークしてトップに立つ。しかし、このサーキットに強い地元のKraisart(Yamaha)、Polamai(Yamaha)がこのタイムを更新、Kraisartは38秒台に入れるスーパーラップでポールポジションを獲得した。Kamaruzamanは再度アタックし1'39.172とわずかにPolamaiを上回り2番グリッドを獲得、Yudhistiraもプッシュしたが、わずかにPolamaiに届かず4番グリッドからのスタートとなった。
レース1スタート30分前の14時30分時点での気温はピット内で34℃、路面温度は63℃、天候はやや雲が多いものの、晴れ。じりじりした暑さがサーキット全体を覆っていた。
定刻通りレースがスタートしたかに思われたが、シグナル点灯が規則とは異なり突然グリーンが点灯されたため赤旗再スタートとなり、18周で予定されていたレースは16周であらためてスタートした。上位陣はグリッド順に1コーナーに進入していく。序盤はそのままの順位でラップを重ねていくが、7周目あたりから3番手のPolamaiと4番手のYudhistiraの間隔が開き始め、その背後にZaidi(Honda)、West(Yamaha)、伊藤(Yamaha)が接近、セカンドグループが形成されて4番手争いが白熱していく。一方のトップグループはトップを走るKraisartが8周目の7コーナーで転倒、Kamaruzamanがトップに立ち、レースをリードしていく。セカンドグループは9周目にZaidiがコースアウトして脱落、12周目には伊藤が3コーナーでコースアウトして脱落したため、YudhistiraはWestと3位争いになった。KamaruzamanにはPolamaiが迫ってきたが追撃を振り切って見事優勝を飾った。YudhistiraはWestをとらえることができず4位でフィニッシュした。
大会3日目、15日も好天に恵まれ、SS600クラスのレース2が始まる前、15時の時点での気温はピット内で35℃、路面温度は67℃に達していた。
各ライダーがウォームアップラップを終え、グリッドにつき、スタート予告のレッドシグナルが点灯するやなぜかPolamaiがスタートしてしまう。彼はこれによってライドスルーのペナルティを喫し、早々に戦列から離れていった。その混乱の中の1周目、トップで帰ってきたのはYudhistira。以下、Zaidi、Kamaruzaman、Kraisart、West、伊藤と続く。レース1で転倒を喫したKraisartは地元での優勝に向け序盤からプッシュし、4周目にはトップに立つ。Kamaruzamanはレース1同様、彼をマークしつつ、プレッシャーをかけていく。その後方では4台が何度もポジションを入れ替えながら周回を重ねていく。その中でWestが徐々にポジションを上げ、14周目、ついにトップに立つ。West、Kraisart、Kamaruzamanはそれぞれ仕掛けどころとタイミングを計りつつラストラップに突入。3コーナーでKraisartをかわしKamaruzamanは次のターゲットをWestに移し、ダブルウィンを賭けて最終コーナーをハードブレーキングで臨んだ。悲鳴を上げるフロントタイヤ、1速までのシフトダウン、すべてのテクニックを投入し、Westにアタックしたが、MotoGP経験もある巧者にあと一歩のところで2位でフィニッシュした。Yudhistiraは激しい4番手争いを伊藤、Zaidiと戦ったが、最終ラップでZaidiにかわされ5位でフィニッシュした。しかし、レース終了後、優勝したWestのチームが車検を拒否したため失格となり、Kamaruzamanが繰り上がって優勝、ダブルウィンとなった。この時点でKamaruzamanはランキングトップに浮上した。Yudhistiraもレース1が3位、レース2が4位に繰り上がった。
次回、第3戦鈴鹿は6月2~4日に開催される。
リザルト
Race 1
Pos. | No. | Rider | Machine |
---|---|---|---|
1 | 25 | Azlan Shah Kamaruzaman | Kawasaki |
2 | 65 | Chalermpol Polamai | Yamaha |
3 | 33 | Ahmad Yudhistira | Kawasaki |
4 | 21 | Md Zaqhwan Zaidi | Honda |
5 | 76 | 伊藤 勇樹 | Yamaha |
6 | 59 | Ratthapong Wilairot | Honda |
7 | 16 | Irfan Ardiansyah | Honda |
8 | 104 | 山口 辰也 | Honda |
9 | 64 | Keminth Kubo | Yamaha |
10 | 17 | 山田 誓己 | Honda |
11 | 634 | 名越 哲平 | Honda |
12 | 82 | 田中 歩 | Yamaha |
13 | 69 | Shankar Sarath Kumar | Honda |
Race 2
Pos. | No. | Rider | Machine |
---|---|---|---|
1 | 25 | Azlan Shah Kamaruzaman | Kawasaki |
2 | 24 | Decha Kraisart | Yamaha |
3 | 21 | Md Zaqhwan Zaidi | Honda |
4 | 33 | Ahmad Yudhistira | Kawasaki |
5 | 76 | 伊藤 勇樹 | Yamaha |
6 | 23 | 羽田 太河 | Honda |
7 | 64 | Keminth Kubo | Yamaha |
8 | 104 | 山口 辰也 | Honda |
9 | 59 | Ratthapong Wilairot | Honda |
10 | 41 | 芳賀 紀行 | Yamaha |
11 | 634 | 名越 哲平 | Honda |
12 | 17 | 山田 誓己 | Honda |
13 | 65 | Chalermpol Polamai | Yamaha |
14 | 16 | Irfan Ardiansyah | Honda |
15 | 82 | 田中 歩 | Yamaha |
16 | 69 | Shankar Sarath Kumar | Honda |