"Z" THE ULTIMATE MOTORCYCLE

THE HISTORY OF Z

1972年にZ1が登場して以来、Zの称号を持つマシンは常に時代の先端を走り、モーターサイクルの世界に大きな変革をもたらしてきた。力強いパフォーマンスと刺激的なフィーリング、先進的なデザインでライダーにインパクトを与え続けてきたZ。その軌跡を振り返る。

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究極を示す「Z」の歴史が始まった

Z1 (1972)

世界のロードスポーツモデルの潮流を一変させた、当時カワサキが持つ技術の粋を集めて産み出されたモーターサイクル。開発時のコードネームは「ニューヨークステーキ」。発売時にはアルファベットの最後の文字で、究極を意味する「Z」と世界一を表す「1」という車名を与えた。レーサーやごく少数のロードスポーツだけのメカニズムだったDOHC並列4気筒を、世界で初めて大量生産車に投入。この903ccのエンジンは世界最速であっただけでなく、信頼性や耐久性も他を圧倒した。4本のマフラーも特徴的で「スリム、セクシー、スリーク」を合い言葉にしたデザインは高い評価を得た。メインの市場となった北米をはじめ、ヨーロッパでも記録的な大ヒットとなり、レースでも活躍。Zシリーズの元祖であり、現在も名車として名高い。

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大胆なデザインのプレミアムスポーツ

Z1-R (1977)

70年代には「カフェレーサー」と呼ばれる、レーサーを思わせるスポーティなデザインが流行した。そしてZ1の後継機、Z1000をベースにカフェレーサーに生まれ変わらせた特別なモデルがZ1-R。Zシリーズの主な市場だったアメリカ現地でデザインされ、シルバーの外装を含め、それまでの大排気量車にはない独特のスタイルで衝撃を与えた。細身のタンクはブラックに塗装されたエンジンの存在感を強調し、ハンドルマウントのビキニカウルはZ1-Rの速さを象徴。そして、当時まだ珍しかったアルミ製キャストホイールを標準装備。マフラーはZ1の4本出しと異なり、エンジン下で集合して直線的な形状の1本のサイレンサーへとつながる。Z1-Rは、以降のZシリーズのデザインに多大な影響を与えた。

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世界を驚かせた水冷6気筒モンスター

Z1300 (1978)

Zシリーズの登場により、市場では空令4気筒エンジンがポピュラーになっていった。しかし、Zは新たな世界に踏み出した。それがZ1300である。水冷DOHC並列6気筒という他に類を見ないエンジンは、当時の量産車最大排気量となる1286cc。圧倒的なパワーに対応するためにシャフトドライブを採用。車体や外装にも当時最高の品質と性能を与えた、カワサキのフラッグシップであった。大柄で乾燥重量は300kg近かったが、新車発表時にテストライダーがウイリーを披露したというエピソードをみるように、あくまで走りを楽しむロードスポーツモデル。あまりのハイパワーゆえに西ドイツ(当時)の馬力規制のきっかけになったほど。究極のロードスポーツモデルとして歴史に名を残す1台となった。

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Zシリーズ、第二世代の旗艦

Z1100GP (1981)

スーパーバイクレースで得た経験も活かした、第二世代のZシリーズの歴史は1981年のZ1000(J型)から始まった。そのZ1000の排気量を1089.9ccに拡大し、性能だけでなく快適性まで大幅に向上させたモデルがZ1100GP。角形のヘッドライトやブラックのエンジンとマフラーで、スポーティなイメージ。メーターパネルはZ1100GP専用の角形だった。当時のバイクメーカーとしてはカワサキだけが実用化していたフューエルインジェクション、K.E.F.I.(カワサキ・エレクトリック・フューエル・インジェクション)も大きな特徴。キャブレターをはるかに超える細かいエンジンマネージメントが可能で、気圧や温度の変化に対応してガソリンの噴射量を最適化。パワーアップだけでなく燃費の向上にも大きく貢献した。

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スーパーバイクチャンピオン・レプリカ

Z1000R (1982)

大排気量スポーツモデルの主な市場だった北米では、世界GPよりも市販車ベースのレーサーで争うスーパーバイクレースが人気で、世界でもトップクラスのライダーがしのぎを削っていた。そのスーパーバイクレースで81年にチャンピオンに輝いたのが、エディ・ローソンとカワサキワークスのZ1000S。その勝利を記念して造られたモデルがZ1000Rである。Z1000Sと同様のライムグリーンのカラーを身にまとい、日本では「ローソンレプリカ」と呼ばれ人気を博した。ローソンのZ1000Sをイメージし、メガホンタイプのカーカー社製集合マフラー、専用の段付きシートやリザーバータンク付きのリアショックを奢ったハイスペックモデル。

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Zの名を継承したスーパーネイキッド

Z1000 (2003)

サーキットでの速さやスペック上の性能ではなく、Z1以来の「世界最高のロードスポーツモデル」というZシリーズの伝統にのっとり、ライダーの「操る楽しさ」を最優先して開発された。水冷4気筒の953ccエンジンはスーパースポーツ、Ninja ZX-9Rがベース。シリンダーヘッドは専用設計で、フューエルインジェクションを採用するなど大きな変更を施し、低中速域を重視した性格にリファイン。4本出しのサイレンサーはZ1をイメージしたもの。太いスチールパイプ製のダイヤモンドフレームに最新スペックの足周りを組み合わせ、ハンドリングは軽快。シャープな形状のヘッドライトや大胆にテールを絞ったシートカウルなどアグレッシブな雰囲気で、スーパーネイキッドという新ジャンルの先駆となった。

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衝撃的なスタイルに、スマートさをプラス

Z1000 (2007)

欧州市場を中心に高い評価を得た先代Z1000のコンセプトを継承しつつ、さらに洗練した二代目。スチール製ダイヤモンドフレームは新設計で、車体の脇にある大型のアルミ製サブフレームはエンジンマウントを兼ねる。ホイールベースを25mm延ばすなど、ディメンションも変更。排気量は953ccのままだが、エンジン内部や吸排気系の改良で低中速トルクを豊かにした。フロントのブレーキキャリパーはラジアルマウントで、前後とも放熱性に優れた軽量なペタルディスクを採用し、足回りを更に強化。ABS装着モデルも並売した。外装は新たにデザインし、ラジエターガードを外装パーツに組み入れてマッシブなイメージを強調させている。

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専用の車体とエンジンを持つ最高の「Z」

Z1000 (2010)

スーパーネイキッドの「操る楽しさ」を更に押し進め、スーパースポーツモデルをベースとした従来の設計方法から脱却し、全てを「ゼロ」から開発した三代目Z1000。エンジンは新設計の1,043ccで、中低速域での力強さを重視。エアボックスや吸入ダクトを使い加速時の吸気音を強調するなど、サウンドでもライダーを楽しませる。車体面では、アルミ製ツインチューブフレームを新たに採用し、より剛性感のあるハンドリングと軽量化を両立。独特のレイアウトを持つホリゾンタルバックリンク・リアサスペンションは、マスを集中化させ運動性を高めている。また、低く構えたカウルや後端を盛り上げたタンクに加え、専用デザインのホイールやフロントフォークを覆うフォークガードが、力強くダイナミックなフォルムを生み出している。

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